出発前夜。

2008/1/21

「自転車でいけちゃうんじゃない!??」

20日の夜、だれともなく言い出しました。
「行けるいける」
「バスで移動とか、簡単すぎるよね」
目の前のテーブルにはメコンっていうこっちのウィスキーみたいな酒の瓶がころがってます。
ちょっと蒸し暑いけど、テラスで飲むにはきもちがいい、そんな夜でした。
先ほどのメコンやら、ジンやらを適当に割ってつくった即席カクテルがそんなことを言わせたんだと思います。
バンコクまで、500キロ程度。異国の地で、それも東南アジアでも最貧国といわれるカンボジアをつっきってタイのバンコクまで自転車で行こうっていう案です。

一人じゃなかなかできないけれど、何人かいればできるかもしれない。見ようによってはチャンスです。
見ようによっては。。。

結局言い出した僕とRさんに加えて、すでにバンコク行きのチケットを購入済みだったK君の三人で決行することに。
K君は明朝、チケットキャンセルしての参加です。
「ここで自分がいかなかったら、負けたような気がする」
かっこいいこと、言ってます。

聞くところによるとカンボジアからタイへ向かう道はダンシングロードってよばれるくらいの悪路。
バスに乗っていても車内の揺れで体が踊ってるみたいに上下しちゃうってことなんだそうです。
踊っちゃうほどかどうかはどうかとしても、バスで国境越えたことのある人たちは口をそろえてその悪路っぷりを説明してくれます。

あー、、、どうしてあんなことするっていっちゃったんだろーーー、、、
なんてことは誰もいいません。
ええ、行きますとも。

記念に乾杯したジンのストレートは、とっても苦い味がしました。

翌日、朝から自転車購入へ。
店にずらりとならぶ自転車から、旅の盟友を探し出します。
僕が選んだのは10段変則(5×2)がついた青い一台。
あまり深く考えずに選んだ一台でしたが、この自転車選びが結構重要な選択だったことが、後々わかってきます。。。
Rさんは変則機なしのものを、K君は少し径が大きい3段変則の自転車を選択。

僕のが30ドル、二人のは32ドル、37ドルでした。
バンコクまでのバスチケットが10ドルなのを思うと、、、馬鹿ですねーー。。。

まさかカンボジアで自転車かうなんて思ってもみませんでした。
買ってしまうと、もう引っ込みつきません。なんだか気分が高揚してきます。

青い自転車は、ところどころペンキがはがれていて、年季が入った感じ。

購入した愛車には、、、
フェンダー部分に日本語で、東京都の住所が書いてあります。
警視庁防犯登録シールも貼ってあるし、持ち主の名前も書いてあります。。。。
どういう経緯でカンボジアで売られてるのかわかりません。
でも売られているほかの自転車も大体が日本からもってこられたもののようです。
放置自転車が日本国から贈られたのか、もしくは盗難車か。。
まさかこの自転車たちも、自分がカンボジアからタイまで走らされるなんて思わなかったでしょう。
、、、ご愁傷様です。

愛車が手に入ったら、次は装備品。市場で食料と帽子なんかを買い込みます。
「運動すると塩が欲しくなる!」
なんてことも聞いたんで、塩も買いました。

とにかく3人ともそんな長期の自転車旅行なんてしたことない。
その上ここはカンボジア。どんなことが待ち受けてるのか、よくわかりません。
それでも3人もいればなにかと心強いもの。
なんとかなるような気持ちもしてきます。

まだ乗りなれない自転車にまたがって、陽がおちはじめたシェムリアップをゆらりゆらりと走ります。
明日にはこの自転車で、カンボジアの大地を走ってるかと思うと、うれしいような、怖いような。。

道端では子供が蹴り上げた羽蹴りの羽がたかーーーく飛んでいました。
どっち飛んでくかなーー。。

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