ラクダにのって、ゆらゆらと。 【トルファン近郊にて】
2008/5/4
楽だ。
駱駝です。
トルファンの近く。
ある遺跡の目の前に、駱駝がたむろしていました。
せっかくの機会。こりゃ乗ってみるしかありません。
いっしょに行動していたスイス人、カーシャも誘って駱駝で散策ツアーです。
よいしょっと背中に乗ってみると、じんわり駱駝の体温がつたわってきて、、ああ、生き物に乗ってるんだなーって、、ちょっと不思議な気分です。
ふたこぶ駱駝の前のこぶに手をあてて体を支えて準備万端。
ざっざっざっざっ。
駱駝が歩くたび、体が上下に揺られます。
砂の小山を越えていきます。
、、下り坂にさしかかると急に勢いついて、ぐわんぐわんと上下にゆれます。
おっとっとっと。。。
こぶにしっかりつかまって、一呼吸、一呼吸。
駱駝の背中から見る景色は普段よりもすこし目線が高くなって、またちょっと新鮮です。
駱駝の一歩一歩にあわせて大きく上下する茶色の世界。
乗り物を変えると視線が変わります。
視線が変わると、見える世界が変わります。
同じ場所を移動しても、見えるもの、感じるものは全く違ってくる。。
駱駝に乗って砂漠を旅した商人たちはいったいどんな景色を見たんでしょう。
遠く西の国から宝物を山と積んだ駱駝を引いた商隊は、希望に胸ふくらませてたんでしょうか。不安に胸をしめつけられていたんでしょうか。
今の世の中、旅をするといっても、あらかじめ情報が山ほど手に入ります。
前人未踏の地なんてもうほとんど残っていない。
でもそれってすごく最近のこと。
ネットがなかった時代のたびはもっともっと違っていたはず。
本がこれほど流通するまえはもっとちがっていたはず。
情報があふれて便利になったのが半分。
旅のミステリアスな部分が失われてしまったのも半分。
旅って不思議です。
すごく情報が欲しい。でも、情報が無いほうが楽しめることもいっぱいある。
準備万端に臨みたい。でも、突発的ななにかはあったほうが楽しい。
きっとどちらも本当のこと。。
矛盾してますねーーー。
でも、、、矛盾してるくらいが本物っぽいってのが世の中なんかなーなんて思う今日この頃ごろごろごろ。
夕日に向かって一歩一歩進む駱駝の背中では動物特有のむせかえるような匂いが鼻をさします。
駱駝で旅した商人もこの同じ匂いをかいだんだろうなぁ。
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