影絵(ワヤン)鑑賞

先週末、ワヤンと呼ばれる影絵を見に行きました。

ワヤン画面
(熊谷正さんのHP”http://www.stbears.com/t.index.html”より)

インドネシア的伝統芸能。
インドネシアから高名なダラン(影絵師)を招いての公演。

これがまたびっくりするくらいにすごかった。素敵だった。

日暮里のサニーホールっていうところでやってたんですが、、
会場にはいってみると「おっ?」て感じ。

おおむね円形の会場のど真ん中にスクリーンとガムラン(インドネシアの音楽)を奏でる楽団がどーーんと鎮座しています。

、、、ど真ん中。

普通なら映画館みたいに、会場の端っこにスクリーンがあって、それに相対するかたちでお客さんがすわってく感じですよね?
でも、ここは違う。ど真ん中。

どこにすわればいいのか、迷います。
スクリーンのあっち側?こっち側??

この影絵初心者の素朴な疑問は場内アナウンスですぐに解消。
影絵は裏から、つまりはダラン(影絵師)側からみてもいいし、表からつまりは通常の映画スタイルでみてもどちらからでも楽しめるます。上演中も席移動は自由なので、是非両方からみてみてください、との事。

へーーーーーー。

本場ではむしろ裏から見ることのほうが好まれるとも聞いて、僕は最初は裏がわにまわります。

楽団の動きも、ダランの動きもよぉく見えます。

そしておもしろいのが、人形たち。
影絵に使うのだから、形だけしっかりしていればよさそうなものなのに、そのまま見てもびっくりするくらいに美しく彩色してあります。
豪華さとシンプルさと、それらが不思議と混在できてる。
影絵人形
(日本ワヤン協会のHP”http://www.kt.rim.or.jp/~banuwati/content.html”より)

始まる前からなんだかワクワク。

ダランはほとんどすべてをひとりでこなします。
本場で行われる上演は8時間にもおよぶ長丁場にもかかわらず、語り、演奏者への指示、人形の操作、効果音係なんぞをすべてひとりでこなします。一流のダランは上演中一切中断をしないそうです。(中休み的なものはありますが、それはちょっと身近な曲をながしたり、人形にコミカルな動きをさせて観客をやすませる類のもの。ダランはやすめないのです><)

かっちょいーーーい。

上演、はじまりました。
休み無く動くダランの手足。
大まかなストーリは決まっていますが、実際語られる内容はダランの即興によって決められていくので、当然、後ろの楽団も気が抜けません。ダランが特定の音を出して、それをうけて楽団がわの演奏を指示していきます。
まったく指示らしくみえないその連携プレーの鮮やかさにも脱帽。

裏から見る影絵は、影絵のイメージとはちょっと違う感じ。
美しい色あいの人形が動く、飛ぶ、ぶつかり合う。
人形を動かすダランの手足の流れるような動きも目を奪うかのようです。

表側にもまわってみました。
光源から人形までの距離によって影が大きくなったり小さくなったり。

人形
(日本ワヤン協会のHP”http://www.kt.rim.or.jp/~banuwati/content.html”より)

人形の豪華な彩色がなくなったことでよりシンプルな美しさになった主人公たちが突然にズームアップしたり、その色を薄くしながら場外に退場していったり。。。
また、、スクリーンの外の壁も大事な役割を果たしています。
闘いのシーンなどでは壁にも写りこむ影たちが、場外乱闘さながらの躍動感をかもしだします。

壁に大きく映し出された魔物がぐぐーーーーっとその色を濃くしながらスクリーンに登場してくる。
魔物に矢を放つ。
刺さる。。
投げ飛ばされて宙返りする。。。
なーーんてことがどんどん影の世界で展開してく。ダランは何本手があるんだろーなんて思っちゃうほど。

ガムランから

いやーーー、影絵って聞くともっと子供向けのほのぼのしたもの想像してましたが全く想定外でした。
あー、こんなんあるんだったら東南アジア回るときにもっと気にしてみてみればよかったなーなんて思ったり。

大満足の影絵鑑賞でしたー。

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