カテゴリー : 旅の記録

路面の感触。荒野の中のパンク修理

2008/5/7

miti

後輪を通して、路面の状況がじかに伝わってくる。。。
小石のひとつも、、溝のひとつもはっきりとわかるみたいだ。。。

車の走り屋まんがなんかだと、こんな状況は主人公の集中力がぐぐっと高まっているときなんかにでてきます。

でもね。
自転車の場合はちょっと違う。

はい。
パンクです。

あー、いつもよりもがたがたいうなーーっていうときは大抵がパンク。
ため息つきながら、タイでかったパンク修理キットを取り出します。
kit

チューブを取り出して、、パンパンに空気いれて、、あいている穴を探す。。。
よく自転車屋さんがやるように水はったタライでもあれば穴さがしもラクチンなんですが、、もちろんそんなものありません。
耳がたより。

シューって音がするところをゆっくりさがしていきます。

この時間、結構すき。

あ、、自転車いじってるなって感じがします。
ちょっとだけ職人気分。

自転車、とっても簡単な構造しています。
充分高度ではあるけれども、シンプルな構造。
身近にあるけれど、、技術のエッセンスがぎゅぎゅっとつまった素敵な機械です。
panksyuuri

その自転車をあーー、、、さわってるなって感じる時間。

しかしパンク修理もこの旅に出る前はしたことがなかったんです。
パンクしたら自転車やさんに持って行くもの。
そう思っていました。

でも実際自分でやってみたら理解もできるし、愛着も湧いてくる。
人がやっているのをみたら簡単にみえるけど、実際にやってみたら結構難しいってこともざらです。
逆もまたしかり。とても難しくてできないようにみえるけども、、やってみたら意外とラクチンだった。それもざら。。
つまりやってみないことには何もわからないんですねーー。。

とりあえず自分でやってみて、、手に余るようなら専門家に頼る。
自転車に限らず、、こんなスタンスもいいかもしれませんねーーーーー。
tyari

余談。
中国だと、お店にすわるとまずお茶がでてきます。
この文化、好きです。
ほっとします。
写真は先日、近くの食堂ででてきたお茶。
このヤカンと透明な器の組み合わせ、なんともすてきじゃないですか。
こういうのをさらってだされると、ムフフとうれしくなっちゃいます。
yakan

中国ネット事情。

2008/5/6

中国ネット事情。

割と小さな街にもネットカフェがあります。
ワンバーとよばれています。

ワンバー、ワンバー言ってれば、たいていどこか教えてくれます。

相場は1時間2元ですから、30円相当くらい。
日本にくらべたら安いですねーー。
東京の漫画喫茶、時間400円くらいですもん。

で、、、よく利用するわけですが、、
日本語環境はほとんどの場合入っていません。
僕はまだ日本語環境はいったネカフェに遭遇したことありません。
日本語環境無いっていっても、書けないだけで、、読むことはできるんですけどね。

で、、どうするかというと、、日本語を使う方法は下記の2つのどちらか。

1.インストールしちゃう。
2.日本語入力用のサイトをつかっちゃう。

1の方、インストールできちゃえばそれが一番簡単。大体50%くらいの確立で成功します。
大抵、OSはウィンドウズXPですが、、これ、、世界中の大半の言語があらかじめ入っています。(入っているものが多いです)
でもそれを使えなくしているだけなので、、言語>属性>言語>添加>日語 ってな手順ふめば大抵OK。
成功しちゃえば、、日本のPCみたいに日本語つかえちゃうので簡単かんたん。

でも、、なぜかうまくいかないことがままあります。
追加に失敗したり、、成功したかにみえるのに、、、実際日本語入力できなかったり。

そういう時は、2つめの、、日本語入力のためのサイトを使います。
URLはこちら。
ajaxという技術を使ってます。
便利きわまりない。。
前述のとおり、中国のネカフェでは日本語を読むことはできるので、このサイトで入力して、それをコピペすればOKです。
唯一の難点は通信速度によって、変換に時間かかることがあること。。
まー、、しょうがないですね。

こんな感じで日本語使います。

さらに、、
僕の場合は自分のPCとSDカードリーダを持ってきているので、、ブログ書くときはこんなふうにしてます。
まず、、自分のPCでブログにアップする記事を書いて、、それをSDカードに落とします。
そして、SDカードとSDカードリーダをもってネカフェにいって、アップする。
、、、、らくちん。。。
ネカフェは時間課金だから、お金も節約できーる。

でもこれができるのはPCがあるがゆえ。。。
でも最近の毎日はおそらくはPCくんにとって過酷な自転車旅。。。
無事最後までもってくれるといいのですが。。。

余談。

だいたいアップは何日か分、まとめてアップしちゃいます。
毎日更新されるように日付だけ調節して。。。。。。。。。

毎日ネカフェいくの、、無理っすもんねーーー。

成都の地震。

ときに。。

四川で大地震があったそうですね。。

ぼくがいまいるウイグルでは全くゆれをかんじなかったんだけども(自転車にのってたから??)、、当地ではだいぶ大変なことになっている様子。。

ういぐるに来るまえに滞在していたのが、四川の成都。。。。

成都であったひとたちの顔が、あたまをよぎります。。

あのいごこちがよかったGHのオーナー夫妻と、、最高にかわいい娘さんたちは、、無事でしょうか。。。気のいい、あの食堂のおばちゃんは大丈夫でしょうか。。。

うーん。。。
気が滅入ります。。。

先日読んだ、土門秀明さんの”地下鉄のギタリスト―Busking in London “という本ではイギリスのテロ直後に、無償でバスキング(駅などで音楽を演奏し、通常は通行人チップをもらう)する話が出てきます。。

“No Tip today, I will sing for you.”
そう書いたふだをおいて、、演奏したそうです。

弔いのうた。
元気をふるいおこす、うた。。

音楽ってすごい。。
その可能せい、表現力ってすごい。。

でも、、ぼくはいま、そのちからは、、ありません。

ぼくになにができるかなーーー。。。。

わからない。。
わからない。。。。

、、まずは黙とうしてみます。
目を瞑って、、かんがえてみます。。

大変なことがおきているけど、、、そらにはやっぱり、、、いつもと変わらずかなしいくらいにきれいな星がまたたいています。

四川のそらでもきっとおんなじ様に瞬いているかもしれません。。

被災地の人々は、、どんなふうに感じながら星をみるんだろう。。

、、、、、、想像することしかできません。。

荒野の住人

2008/5/5

今日は荒野の住人の紹介。

今はしっているあたりは、、荒野ではありますが、砂漠じゃありません。
背の小さい草がいっぱい生えていますし、放牧なんかもされています。
itimennokusa

でね、、、
どんないきもの住んでいるのかなーーーと探してみました。

背丈のひくい、、枯れ草にもみえるちゃいろのかたまりをかきわけながら、、地面を凝視。。

いますいます。。。
黒い1.5cmほどのちっこい虫です。
komusi

もぞもぞ這い回ったと思うと、、すぐに地面に穴をほって入り込もうとします。
もそもそ。。
さすがのこの地の住人も直射日光は熱いとみえます。

頭かくして、尻隠さず。

黒いおしりをちょこっと出して、やっぱりもぞもぞ。

もぞもぞ虫。

もぞもぞ虫をみていたら、

、、、地面をさーーーっと低く飛ぶ何かがちらっと見えました。

降り立ったあたりを再度捜索。。

しげみに足を踏み入れたとたん、、、
足元からささーーーっとなにかが逃げていきます。

さっきは飛んでいるように見えましたが、、どうやら文字通り飛ぶ様に逃げているだけで、、羽をつかって飛んでいるわけではなさそうです。
とっても速くはしっているんですね。。。

なんどかおっかけっこをくりかえすと、、彼は自分の住処(?)らしきところへ逃げ込みました。
どうやらそこから移動はしないつもりらしい。

カメラをちょっと望遠にして、、、、。
一枚失敬。
tokage

こいつでした。
飛ぶように走る、トカゲ君。
強烈な逃げ足ももっているし、、体の色もすっかり保護色だし、、これならなかなか敵につかまったりしないでしょう。

過酷な環境で生きる彼らはきっとそれぞれに体に工夫をこさえているんでしょう。
すごい。。
これだけの機能をもったからだを作るって途方も無い「技術」です。
これが偶然に支配された突然変異と自然淘汰だけで実現できるなんてとても信じられません。
世の中にいるものすごい数の生命がぜーんぶ、、それぞれの環境に適合した機能をもってる。

進化の成果。。。学校ではダーウィンさんの進化論で説明されました。
しかし、思うのです。

、、、、、さすがに偶然重視のダーウィン的進化論じゃありえないでしょう!!

ある種族が突然変異と自然淘汰で洗練されるっていうのが充分ありうるのはよくわかるんです。
キリンさんが、高い枝の葉っぱたべられた方が有利だから、、結局首がながくなっていったていう説は有名だし、わかりやすいですよね。
それはなっとく。
でも、、そもそもキリンさんを形作る機能全部、アメーバからの突然変異でつくられたなんて、どーも眉唾。
可能性として、、ありうるのはわかるけども、、非現実的時間かかりそう。

土台は別の方法でつくられて、、その後、ダーウィンさんの理論で洗練されていったんじゃないのかなーーー。。。

超高度なプログラムがあって、それをだれかがコピペしたら途中でへまやらかしたけど、それでかえっていいプログラムできちゃった。えへ。あ、バグなんてないよ。もちろん。淘汰されちゃったもん。てへ。
てなもんでしょ。
ありえん。

それなら宇宙人とか神様とかが作ったっていうほうがまだ信じやすいなーー。
空飛ぶスパゲッティモンスターでもいいけどさ。

横風の恐怖。 【トルファンからトクシンへ移動】

2008/5/5

今日はトルファンからトクシンという街へ移動です。

およそ50キロの道のり。
比較的短い距離です。
早めにトクシンについて、ゆっくりできるかなーーーなんて思っていました。

出発前の自転車点検もばっちり。
前後の空気圧よーし。
ナットのしまり具合、よーーし。

快調なすべりだしです。

街を出て、、、しばらくつづく田園風景も抜けて、、、荒野へたどりつきました。
kouya

順調な日でもやっぱり何かあるものです。

今日の「何か」は猛烈な横風でした。
試練、、、。。。

今日の道のりはほぼ単純な西進なんですが、強烈な北風が邪魔をします。
こんなに大量の空気が移動しちゃって北のほう、大丈夫なんかな。。。
いらぬ心配しちゃうくらいの強風。

トクシンに近づけば近づくだけ強くなっていきます。

気付けばまっすぐ立っているのもきついくらいの強風。
よく、台風なんかのときに、ものすごい風の中、なぜか海の目の前なんかで、実況中継やりますよね。あんな感じ。

止まって、、小休憩、、、と思っても自転車が倒れないようにするのにエネルギーつかっちゃいます。

そして一番困ったのが、、、、、、めがねです。

そう。めがね。

ちょっと隙をみせようものなら、、、すなわち、ちょっと風下の方を見遣ったなら、、、飛んでいくんです。
めがねが。ぶっぴょーーーって。

もともとちょっとフレームが曲がってゆるくなっていたのは確かです。

でも、まさかめがねが飛んでいくなんて。。

さっと向いたらぴゅっと飛んでいきます。
それを探すのに一苦労。
裸眼だもんだから、あたりは全くぼやけています。

あ、、僕、、裸眼だと視力0.1にはるか届かないくらいに目が悪いんです。

そのぼやけた視界でえっちらよっちら。。。
まわりからみたらさぞ馬鹿げた様子にみえたにちがいありません。

逆に風上を向いたら、めがねがくいっとできます。
あの、、めがねがずり落ちてきたときに、、、人差し指なんかでやる、、くいっってやつですね。まるおくん風。
あれがノーハンドでできるわけです。
風上向いて、、くいっと。
便利なんだかどうかようわかりませんが。。。。

横風つらくて、時速5,6キロが精一杯。
前に進む力よりは、、、倒れないほうにエネルギー使います。

トクシンのことを「風の街」って記述してあったのをどっかで見たのを思い出しました。。
こういうことでしたか。。。。。

トクシンついたときにはぼろぼろでした。
自然の力って、、偉大。。

補記
風力発電でもしたらさぞいっぱい発電できるんだろうなーーーーー。。。
あ、、、でもきっとあの風は砂漠に太陽があたるからおきる風だから、、太陽発電のほうが効率いいのかしらん??
どちらにしろ、自然エネルギーでの発電、いっぱいできそうです。
huuryoku

補記2
あんまり風が強いんで、風速がしりたくなりました。
風速どれくらいかなーーーーー。。。
で、ちょっと実験。
1mくらいの高さからペットボトルの水をたらすと、だいたい3mくらい向こうの地面に落ちます。
1m落ちる間に、3m移動するくらいの風。
このデータあったら計算できるかもしれないなーーー。。。
むしろちゃんと計算したら1mの高さから水滴おとして、どこまで水滴とばされるかってことで風速がわかる公式がつくれるかもしれない!!!

、、、でもまだ計算できてませーーん。
賢い人、教えてください。。。

ウイグル人と漢民族と。風の国の厚い壁。 

2008/5/4

千仏洞にて。

いかにもウイグルといった土を塗り固めたような住宅が並んでいます。
matinami

乾いた空気のなか、地面と一体化したかのような家々。
そんな家並みを撮ろうとカメラを構えます。

、、、、よっしゃ、、、、コレコレ。。。

そう思ってシャッターを切ろうとしたとき。
目の前で老人がなにやら怒鳴っています。

そのときは気付きませんでしたが、目の前の台の上に筵を引いてその上で昼寝をしていたようです。

老人は何語とかを早口でまくしたてながら、傍らにあった板をひっくりかえします。

そこには中国語で、「老人を写真にとったらもれなく5元、くださいね☆」なんて書いてあります。
どうもこの老人、5元出せ、と言っているようです。

いやいやいや。。
さすがにそれはないでしょう。

まず、僕は老人を撮っていません。
それに、その5元払えって書いてある板は写真を撮ろうとしたとき、裏返っていて読めませんでした。後からひっくりかえして、ホラここにかいてあるだろ!っていうのはあまりに無法でしょう。。

しかしその老人。僕のカメラの紐をしっかりとにぎりしめていて、離してくれません。
お金を払うまで逃さないぞ!の構え。
僕も道理が無いお金を払うつもりは毛頭ありません。

にらみ合い。。

宿が一緒になって、今日一緒に行動していたウズベキスタンに住んでいるスイス人カーシャ(彼女はウイグル語が話せます。)が間にはいってくれました。
彼女も大分腹をたてて、散々文句を言ってくれます。
あとで英語で説明してくれたところによると、、、
「彼(僕のこと)はあんたの写真なんて撮ってない。それなのにお金をとろうなんて、、ドロボウと一緒じゃない!私もイスラム教徒だけど、イスラムじゃドロボウは手首を切り落とされる掟なのよ。あんたの手首、落としてやろうかしら!!」
くらいの過激なことを言ってくれたようです。
でも老人はますます頑固にがなりたてるばかり。

このまま平行線か。。。

と思いはじめたころ。。

そのスイス人が何ごとかを老人に話します。すると、、老人の態度急変。
急にカメラをはなしてくれ、、申し訳なさそうな顔をし始めます。

ん????

なんでいきなり??

とりあえずそこを開放されたあと、カーシャに聞きます。
さっきのはどういうわけ??

彼女が教えてくれたところには、、、
さっき、カーシャはあの老人に
「彼は日本人よ」
と言ったんだそうです。
それで問題は解決したそうです。

でも、、別に日本人に特別友好的感情を持っていたわけじゃ、ない。。

老人は僕を漢民族だと思っていたそうです。
そして彼は漢民族がだいっきらい。
日本人だから解決したんじゃなくて、漢民族じゃなかったから、解決した。。。。。
なかば漢民族への嫌がらせのようにお金を請求していたようです。

ウイグル人は漢民族を嫌っている人が多いそうです。
カーシャは、、
「ウイグル人はみんな漢民族が大嫌いよ」
って言っていました。

みんなってのは語弊があるかもしれないけれども、、漢民族を嫌う傾向は確かにありそう。

ウイグルの人は、、漢字が読めない人が結構いっぱいいます。
僕が筆談しようとしても、、漢字は読めないっていわれちゃう。。。

言葉も生活習慣も違う人に統治されるのは、、複雑な感情を生むのかもしれません。。。。

どこまでも澄んだきれいな空。
でもその下に住む人々はやっぱり難しい問題を抱えているようです。

追記
この5元騒動のあと、千仏洞を観光して、、帰り道に同じところを通ったら、、
先のおじいちゃんが
「干葡萄かってかんねーーー??」
ってすっごいにこやかに声かけてくれました。

、、、買うか!!!

追記2
この日、火焔山なるところにも立ち寄りました。
あの西遊記の火焔山の舞台となったといわれる山。
ごつごつした岩肌にはぎっしりとひだが寄っていて、なんとも異様な光景です。山っていうよりも岩っていう感じ。
この岩がフライパンのように熱せられて夏場は80度近くになるとか。
うーーーーん。すげ。
kaenzan

ラクダにのって、ゆらゆらと。 【トルファン近郊にて】

2008/5/4

楽だ。

rakuda

駱駝です。

トルファンの近く。
ある遺跡の目の前に、駱駝がたむろしていました。

せっかくの機会。こりゃ乗ってみるしかありません。
いっしょに行動していたスイス人、カーシャも誘って駱駝で散策ツアーです。

よいしょっと背中に乗ってみると、じんわり駱駝の体温がつたわってきて、、ああ、生き物に乗ってるんだなーって、、ちょっと不思議な気分です。
ふたこぶ駱駝の前のこぶに手をあてて体を支えて準備万端。

ざっざっざっざっ。

駱駝が歩くたび、体が上下に揺られます。

砂の小山を越えていきます。
、、下り坂にさしかかると急に勢いついて、ぐわんぐわんと上下にゆれます。

おっとっとっと。。。

こぶにしっかりつかまって、一呼吸、一呼吸。

駱駝の背中から見る景色は普段よりもすこし目線が高くなって、またちょっと新鮮です。
駱駝の一歩一歩にあわせて大きく上下する茶色の世界。
takaitokokara

乗り物を変えると視線が変わります。
視線が変わると、見える世界が変わります。

同じ場所を移動しても、見えるもの、感じるものは全く違ってくる。。

駱駝に乗って砂漠を旅した商人たちはいったいどんな景色を見たんでしょう。
遠く西の国から宝物を山と積んだ駱駝を引いた商隊は、希望に胸ふくらませてたんでしょうか。不安に胸をしめつけられていたんでしょうか。
gakehe

今の世の中、旅をするといっても、あらかじめ情報が山ほど手に入ります。
前人未踏の地なんてもうほとんど残っていない。

でもそれってすごく最近のこと。

ネットがなかった時代のたびはもっともっと違っていたはず。
本がこれほど流通するまえはもっとちがっていたはず。

情報があふれて便利になったのが半分。
旅のミステリアスな部分が失われてしまったのも半分。

旅って不思議です。
すごく情報が欲しい。でも、情報が無いほうが楽しめることもいっぱいある。
準備万端に臨みたい。でも、突発的ななにかはあったほうが楽しい。

きっとどちらも本当のこと。。

矛盾してますねーーー。

でも、、、矛盾してるくらいが本物っぽいってのが世の中なんかなーなんて思う今日この頃ごろごろごろ。

夕日に向かって一歩一歩進む駱駝の背中では動物特有のむせかえるような匂いが鼻をさします。
yuuhihe

駱駝で旅した商人もこの同じ匂いをかいだんだろうなぁ。

陽がゆっくりと落ちていきます。
gyakukou

おっきな寄り道で地中海風。

05/06

今日はトクスンという街にいます。

今日の朝、勇んで次の街目指して出発。

したものの。。。。。

南西にむかうはずの道。

なぜか方位磁石は南東を指しています。
すぐ先にカーブがあるはず、、、って思いはじめてから、もう5キロくらいはきちゃいました。

、、、迷子っすね。
uma

スタートから15キロ。
こりゃスタート地点でまちがったとしか思えません。

だって曲がり角なんてスタートの町くらいにしかなかったもん。

もどります。
15キロ。
往復30キロの回り道。

たのしいなあ。

太陽がぎんぎらぎんに照っています。
明るい太陽とぶどうばたけの組み合わせは、地中海のイメージ。

denen
(ちょっと違うか???)

今日はけしきを楽しむ一日でした。
、、ということにしました。

千仏洞の微笑み。 【トルファン近郊にて】

2008/5/4

今日はトルファンに滞在。

近くにある遺跡、千仏洞へ行ってきました。
片道40キロ強。

自転車でいけなくは無い距離ですが、ゆっくり観光したいので、今日は車で移動です。

延々と続く荒野の先に、ブドウ畑がみえてきます。
ぶどう畑をさらにぬけると、桑に囲まれた茶色の家々。
くわの実を売るおいちゃんが家の前を通る人々に元気な声をかけています。

kuwakazoku

kuwa_kodomo

そんな集落のどまんなかに、千仏洞はありました。

雑草が上へ上へと伸びる緑の地帯を左右から挟みこむようにして茶色い崖がせまっています。
むき出しになった地層がどーーんと大きな大地の力を感じさせます。
時間をかけて、それこそ膨大な時間をかけて、ぐぐっとおしあげられた地面。
パワー、あるわーー。。。。
kzenotani2

kazenotani

さて、茶色の崖の表面にはゴマのようにぽつぽつと真っ黒なあながあいています。
そう、これが千あるという御仏の洞。
口をあけたそれぞれの洞の中には、仏様がぎっしりと並んだ、美しい壁画が描かれています。
(写真、厳禁とあったので、写真はナシです><)

外にくらべて肌寒いくらいにひんやりした空気が背筋をのばさせます。
厳粛で、、でも心地いい、、重たくて冷たい空気が周囲を満たしています。

仏様は、壁にも、天井にも、ところ狭しと並んで見るもののを圧倒します。

でも、、、ね。。。

その仏様、全部、顔が無いんです。。

すべての仏様の顔が傷つけられて、そこだけが茶色い壁面を露出させています。。。。
あるものは顔全体が。あるものは、目だけが。。
ひとつの部屋の中に、ざっと数えただけで500ほどの仏様が描かれています。
でも、そのすべての顔が傷つけられている。。。えぐられている。。

丹念に。
憎悪をこめて。

イスラム教徒がやったそうです。
なかなかに激しい宗教対立があったとか。

、、、
人が大事にしているもの、、、それこそ命よりも大事にしているものを壊す。。

エネルギーがいる作業です。
ものすごく、エネルギーが必要。

でも宗教はそれをあたえてくれちゃう。
「自分の信じるものが絶対正しいから、それ以外は絶対間違い。」

こわい、ねぇ。。

本人はいい事をしているつもりなのが、、何より怖い、。。。

、、宗教だけでなくて、、主義とか、、国家とか、、、自分を支えてくれて、まさに自分自身の拠り所になれるものは、他人の大事なものを壊す、、、とってもエネルギーのいる作業をさせる力を持っているんだと思います。。。
きっと、そこにあるのは信念という名前の思考停止。
「自分の信じるものが絶対正しいから、それ以外は絶対間違い。」

こわい、ねぇ。。

洞の正面には、ひときわ目を引く、少し大きめの仏様が描かれています。
この仏様は顔の上部が傷つけられていて、やさしげな口元だけを残しています。

この仏様、、自身の顔を傷つける異教徒の顔を見て、、何を思ったんでしょう。。
微笑みながら壊されていった仏様は何を考えていたんでしょう。

やさしげな口元が目に残っています。

補記1
千仏洞の係員さん。
なんかニコニコして中案内してくれました。
guide

補記2
仲良し三人組。
一日中、ここでおしゃべりしているそうです。
平和です。
3ningumi

予定変更

毎日更新のブログにはちょっと前のことを書いていますが、、実際の今、トクスンという町にいます。
今日はトクスンから三日程度の予定でコルラという街へ移動開始。

トクスンから南西の町コルラにいくには二通りの道があります。
ひとつは、南下してから西にいく方法。
もうひとつは西進してから南下する方法。
大きい道がふたつあるんです。

今日僕がとったのは、前者。南下してから西進する方法。
こっちのがメインの道なようだし、砂漠のどまんなかとおるので、なんだかたのしそうです。

意気揚々と繰り出しました。。。
が、、、、。

通行止め。

係りの警官がいうことにゃ、、、
落石のため、通行止めになってるとのこと。
明日なら大丈夫だよ。明日おいでーーー。
なんていってくれちゃいます。

でも、本当に明日大丈夫なのか!??
ほんとのほんとか!???

不安つのります。

、、、つーことで、予定変更して、西進することにしました。

100キロほど西にいったところに、アグシャーという街があるようです。
そこで一泊かなーーー。。。。

いつものように荒野をつきすすみます。
ひたすらに茶色の世界。
ゆったりとした上り坂。でも、、追い風にたすけられて、すいすいです。

60キロほどして、魚几淘という街につきました。

そこでお昼ご飯をたべてると、、、なにやらいっぱいはなしかけられます。
「なに?ちゃりであぐしゃーまでいくの!??」
「今日からじゃもう暗くなっちゃうよ。」
「山、狼がでるよ。。」
「山、、今、雪ふってるよ」

、、、、狼!??雪!??
本当???
ってきいても、本当っていってくれちゃいます。

うーーーんん。。。

4,5人でくちをそろえて、、明日にしたらーーーとアドバイス。。。

せっかくここまでいってくれるんだし、今日はここで一泊しようかなーー。。。
ということで、今日は魚几淘のネカフェから書き込んでいます。

今日の情報まとめ。。。
トクスンから南下する道は、、落石で通行止め中(復帰いつか、不明。明日には復帰って警官いってた。)
魚几淘より西の山地帯では、狼が出るそう。野営はよしとくのが無難。
魚几淘より西の山地帯では、雪が降っている&積もっているそう。寒さ対策必要。

らしい。
うーん。ほんとか?っていう気もするけども、、でも用心にこしたことなさそーー。
さて、、明日、、どうなるかなーーー。。。