カテゴリー : 2008年 5月

横風の恐怖。 【トルファンからトクシンへ移動】

2008/5/5

今日はトルファンからトクシンという街へ移動です。

およそ50キロの道のり。
比較的短い距離です。
早めにトクシンについて、ゆっくりできるかなーーーなんて思っていました。

出発前の自転車点検もばっちり。
前後の空気圧よーし。
ナットのしまり具合、よーーし。

快調なすべりだしです。

街を出て、、、しばらくつづく田園風景も抜けて、、、荒野へたどりつきました。
kouya

順調な日でもやっぱり何かあるものです。

今日の「何か」は猛烈な横風でした。
試練、、、。。。

今日の道のりはほぼ単純な西進なんですが、強烈な北風が邪魔をします。
こんなに大量の空気が移動しちゃって北のほう、大丈夫なんかな。。。
いらぬ心配しちゃうくらいの強風。

トクシンに近づけば近づくだけ強くなっていきます。

気付けばまっすぐ立っているのもきついくらいの強風。
よく、台風なんかのときに、ものすごい風の中、なぜか海の目の前なんかで、実況中継やりますよね。あんな感じ。

止まって、、小休憩、、、と思っても自転車が倒れないようにするのにエネルギーつかっちゃいます。

そして一番困ったのが、、、、、、めがねです。

そう。めがね。

ちょっと隙をみせようものなら、、、すなわち、ちょっと風下の方を見遣ったなら、、、飛んでいくんです。
めがねが。ぶっぴょーーーって。

もともとちょっとフレームが曲がってゆるくなっていたのは確かです。

でも、まさかめがねが飛んでいくなんて。。

さっと向いたらぴゅっと飛んでいきます。
それを探すのに一苦労。
裸眼だもんだから、あたりは全くぼやけています。

あ、、僕、、裸眼だと視力0.1にはるか届かないくらいに目が悪いんです。

そのぼやけた視界でえっちらよっちら。。。
まわりからみたらさぞ馬鹿げた様子にみえたにちがいありません。

逆に風上を向いたら、めがねがくいっとできます。
あの、、めがねがずり落ちてきたときに、、、人差し指なんかでやる、、くいっってやつですね。まるおくん風。
あれがノーハンドでできるわけです。
風上向いて、、くいっと。
便利なんだかどうかようわかりませんが。。。。

横風つらくて、時速5,6キロが精一杯。
前に進む力よりは、、、倒れないほうにエネルギー使います。

トクシンのことを「風の街」って記述してあったのをどっかで見たのを思い出しました。。
こういうことでしたか。。。。。

トクシンついたときにはぼろぼろでした。
自然の力って、、偉大。。

補記
風力発電でもしたらさぞいっぱい発電できるんだろうなーーーーー。。。
あ、、、でもきっとあの風は砂漠に太陽があたるからおきる風だから、、太陽発電のほうが効率いいのかしらん??
どちらにしろ、自然エネルギーでの発電、いっぱいできそうです。
huuryoku

補記2
あんまり風が強いんで、風速がしりたくなりました。
風速どれくらいかなーーーーー。。。
で、ちょっと実験。
1mくらいの高さからペットボトルの水をたらすと、だいたい3mくらい向こうの地面に落ちます。
1m落ちる間に、3m移動するくらいの風。
このデータあったら計算できるかもしれないなーーー。。。
むしろちゃんと計算したら1mの高さから水滴おとして、どこまで水滴とばされるかってことで風速がわかる公式がつくれるかもしれない!!!

、、、でもまだ計算できてませーーん。
賢い人、教えてください。。。

ウイグル人と漢民族と。風の国の厚い壁。 

2008/5/4

千仏洞にて。

いかにもウイグルといった土を塗り固めたような住宅が並んでいます。
matinami

乾いた空気のなか、地面と一体化したかのような家々。
そんな家並みを撮ろうとカメラを構えます。

、、、、よっしゃ、、、、コレコレ。。。

そう思ってシャッターを切ろうとしたとき。
目の前で老人がなにやら怒鳴っています。

そのときは気付きませんでしたが、目の前の台の上に筵を引いてその上で昼寝をしていたようです。

老人は何語とかを早口でまくしたてながら、傍らにあった板をひっくりかえします。

そこには中国語で、「老人を写真にとったらもれなく5元、くださいね☆」なんて書いてあります。
どうもこの老人、5元出せ、と言っているようです。

いやいやいや。。
さすがにそれはないでしょう。

まず、僕は老人を撮っていません。
それに、その5元払えって書いてある板は写真を撮ろうとしたとき、裏返っていて読めませんでした。後からひっくりかえして、ホラここにかいてあるだろ!っていうのはあまりに無法でしょう。。

しかしその老人。僕のカメラの紐をしっかりとにぎりしめていて、離してくれません。
お金を払うまで逃さないぞ!の構え。
僕も道理が無いお金を払うつもりは毛頭ありません。

にらみ合い。。

宿が一緒になって、今日一緒に行動していたウズベキスタンに住んでいるスイス人カーシャ(彼女はウイグル語が話せます。)が間にはいってくれました。
彼女も大分腹をたてて、散々文句を言ってくれます。
あとで英語で説明してくれたところによると、、、
「彼(僕のこと)はあんたの写真なんて撮ってない。それなのにお金をとろうなんて、、ドロボウと一緒じゃない!私もイスラム教徒だけど、イスラムじゃドロボウは手首を切り落とされる掟なのよ。あんたの手首、落としてやろうかしら!!」
くらいの過激なことを言ってくれたようです。
でも老人はますます頑固にがなりたてるばかり。

このまま平行線か。。。

と思いはじめたころ。。

そのスイス人が何ごとかを老人に話します。すると、、老人の態度急変。
急にカメラをはなしてくれ、、申し訳なさそうな顔をし始めます。

ん????

なんでいきなり??

とりあえずそこを開放されたあと、カーシャに聞きます。
さっきのはどういうわけ??

彼女が教えてくれたところには、、、
さっき、カーシャはあの老人に
「彼は日本人よ」
と言ったんだそうです。
それで問題は解決したそうです。

でも、、別に日本人に特別友好的感情を持っていたわけじゃ、ない。。

老人は僕を漢民族だと思っていたそうです。
そして彼は漢民族がだいっきらい。
日本人だから解決したんじゃなくて、漢民族じゃなかったから、解決した。。。。。
なかば漢民族への嫌がらせのようにお金を請求していたようです。

ウイグル人は漢民族を嫌っている人が多いそうです。
カーシャは、、
「ウイグル人はみんな漢民族が大嫌いよ」
って言っていました。

みんなってのは語弊があるかもしれないけれども、、漢民族を嫌う傾向は確かにありそう。

ウイグルの人は、、漢字が読めない人が結構いっぱいいます。
僕が筆談しようとしても、、漢字は読めないっていわれちゃう。。。

言葉も生活習慣も違う人に統治されるのは、、複雑な感情を生むのかもしれません。。。。

どこまでも澄んだきれいな空。
でもその下に住む人々はやっぱり難しい問題を抱えているようです。

追記
この5元騒動のあと、千仏洞を観光して、、帰り道に同じところを通ったら、、
先のおじいちゃんが
「干葡萄かってかんねーーー??」
ってすっごいにこやかに声かけてくれました。

、、、買うか!!!

追記2
この日、火焔山なるところにも立ち寄りました。
あの西遊記の火焔山の舞台となったといわれる山。
ごつごつした岩肌にはぎっしりとひだが寄っていて、なんとも異様な光景です。山っていうよりも岩っていう感じ。
この岩がフライパンのように熱せられて夏場は80度近くになるとか。
うーーーーん。すげ。
kaenzan

ラクダにのって、ゆらゆらと。 【トルファン近郊にて】

2008/5/4

楽だ。

rakuda

駱駝です。

トルファンの近く。
ある遺跡の目の前に、駱駝がたむろしていました。

せっかくの機会。こりゃ乗ってみるしかありません。
いっしょに行動していたスイス人、カーシャも誘って駱駝で散策ツアーです。

よいしょっと背中に乗ってみると、じんわり駱駝の体温がつたわってきて、、ああ、生き物に乗ってるんだなーって、、ちょっと不思議な気分です。
ふたこぶ駱駝の前のこぶに手をあてて体を支えて準備万端。

ざっざっざっざっ。

駱駝が歩くたび、体が上下に揺られます。

砂の小山を越えていきます。
、、下り坂にさしかかると急に勢いついて、ぐわんぐわんと上下にゆれます。

おっとっとっと。。。

こぶにしっかりつかまって、一呼吸、一呼吸。

駱駝の背中から見る景色は普段よりもすこし目線が高くなって、またちょっと新鮮です。
駱駝の一歩一歩にあわせて大きく上下する茶色の世界。
takaitokokara

乗り物を変えると視線が変わります。
視線が変わると、見える世界が変わります。

同じ場所を移動しても、見えるもの、感じるものは全く違ってくる。。

駱駝に乗って砂漠を旅した商人たちはいったいどんな景色を見たんでしょう。
遠く西の国から宝物を山と積んだ駱駝を引いた商隊は、希望に胸ふくらませてたんでしょうか。不安に胸をしめつけられていたんでしょうか。
gakehe

今の世の中、旅をするといっても、あらかじめ情報が山ほど手に入ります。
前人未踏の地なんてもうほとんど残っていない。

でもそれってすごく最近のこと。

ネットがなかった時代のたびはもっともっと違っていたはず。
本がこれほど流通するまえはもっとちがっていたはず。

情報があふれて便利になったのが半分。
旅のミステリアスな部分が失われてしまったのも半分。

旅って不思議です。
すごく情報が欲しい。でも、情報が無いほうが楽しめることもいっぱいある。
準備万端に臨みたい。でも、突発的ななにかはあったほうが楽しい。

きっとどちらも本当のこと。。

矛盾してますねーーー。

でも、、、矛盾してるくらいが本物っぽいってのが世の中なんかなーなんて思う今日この頃ごろごろごろ。

夕日に向かって一歩一歩進む駱駝の背中では動物特有のむせかえるような匂いが鼻をさします。
yuuhihe

駱駝で旅した商人もこの同じ匂いをかいだんだろうなぁ。

陽がゆっくりと落ちていきます。
gyakukou

おっきな寄り道で地中海風。

05/06

今日はトクスンという街にいます。

今日の朝、勇んで次の街目指して出発。

したものの。。。。。

南西にむかうはずの道。

なぜか方位磁石は南東を指しています。
すぐ先にカーブがあるはず、、、って思いはじめてから、もう5キロくらいはきちゃいました。

、、、迷子っすね。
uma

スタートから15キロ。
こりゃスタート地点でまちがったとしか思えません。

だって曲がり角なんてスタートの町くらいにしかなかったもん。

もどります。
15キロ。
往復30キロの回り道。

たのしいなあ。

太陽がぎんぎらぎんに照っています。
明るい太陽とぶどうばたけの組み合わせは、地中海のイメージ。

denen
(ちょっと違うか???)

今日はけしきを楽しむ一日でした。
、、ということにしました。

千仏洞の微笑み。 【トルファン近郊にて】

2008/5/4

今日はトルファンに滞在。

近くにある遺跡、千仏洞へ行ってきました。
片道40キロ強。

自転車でいけなくは無い距離ですが、ゆっくり観光したいので、今日は車で移動です。

延々と続く荒野の先に、ブドウ畑がみえてきます。
ぶどう畑をさらにぬけると、桑に囲まれた茶色の家々。
くわの実を売るおいちゃんが家の前を通る人々に元気な声をかけています。

kuwakazoku

kuwa_kodomo

そんな集落のどまんなかに、千仏洞はありました。

雑草が上へ上へと伸びる緑の地帯を左右から挟みこむようにして茶色い崖がせまっています。
むき出しになった地層がどーーんと大きな大地の力を感じさせます。
時間をかけて、それこそ膨大な時間をかけて、ぐぐっとおしあげられた地面。
パワー、あるわーー。。。。
kzenotani2

kazenotani

さて、茶色の崖の表面にはゴマのようにぽつぽつと真っ黒なあながあいています。
そう、これが千あるという御仏の洞。
口をあけたそれぞれの洞の中には、仏様がぎっしりと並んだ、美しい壁画が描かれています。
(写真、厳禁とあったので、写真はナシです><)

外にくらべて肌寒いくらいにひんやりした空気が背筋をのばさせます。
厳粛で、、でも心地いい、、重たくて冷たい空気が周囲を満たしています。

仏様は、壁にも、天井にも、ところ狭しと並んで見るもののを圧倒します。

でも、、、ね。。。

その仏様、全部、顔が無いんです。。

すべての仏様の顔が傷つけられて、そこだけが茶色い壁面を露出させています。。。。
あるものは顔全体が。あるものは、目だけが。。
ひとつの部屋の中に、ざっと数えただけで500ほどの仏様が描かれています。
でも、そのすべての顔が傷つけられている。。。えぐられている。。

丹念に。
憎悪をこめて。

イスラム教徒がやったそうです。
なかなかに激しい宗教対立があったとか。

、、、
人が大事にしているもの、、、それこそ命よりも大事にしているものを壊す。。

エネルギーがいる作業です。
ものすごく、エネルギーが必要。

でも宗教はそれをあたえてくれちゃう。
「自分の信じるものが絶対正しいから、それ以外は絶対間違い。」

こわい、ねぇ。。

本人はいい事をしているつもりなのが、、何より怖い、。。。

、、宗教だけでなくて、、主義とか、、国家とか、、、自分を支えてくれて、まさに自分自身の拠り所になれるものは、他人の大事なものを壊す、、、とってもエネルギーのいる作業をさせる力を持っているんだと思います。。。
きっと、そこにあるのは信念という名前の思考停止。
「自分の信じるものが絶対正しいから、それ以外は絶対間違い。」

こわい、ねぇ。。

洞の正面には、ひときわ目を引く、少し大きめの仏様が描かれています。
この仏様は顔の上部が傷つけられていて、やさしげな口元だけを残しています。

この仏様、、自身の顔を傷つける異教徒の顔を見て、、何を思ったんでしょう。。
微笑みながら壊されていった仏様は何を考えていたんでしょう。

やさしげな口元が目に残っています。

補記1
千仏洞の係員さん。
なんかニコニコして中案内してくれました。
guide

補記2
仲良し三人組。
一日中、ここでおしゃべりしているそうです。
平和です。
3ningumi

予定変更

毎日更新のブログにはちょっと前のことを書いていますが、、実際の今、トクスンという町にいます。
今日はトクスンから三日程度の予定でコルラという街へ移動開始。

トクスンから南西の町コルラにいくには二通りの道があります。
ひとつは、南下してから西にいく方法。
もうひとつは西進してから南下する方法。
大きい道がふたつあるんです。

今日僕がとったのは、前者。南下してから西進する方法。
こっちのがメインの道なようだし、砂漠のどまんなかとおるので、なんだかたのしそうです。

意気揚々と繰り出しました。。。
が、、、、。

通行止め。

係りの警官がいうことにゃ、、、
落石のため、通行止めになってるとのこと。
明日なら大丈夫だよ。明日おいでーーー。
なんていってくれちゃいます。

でも、本当に明日大丈夫なのか!??
ほんとのほんとか!???

不安つのります。

、、、つーことで、予定変更して、西進することにしました。

100キロほど西にいったところに、アグシャーという街があるようです。
そこで一泊かなーーー。。。。

いつものように荒野をつきすすみます。
ひたすらに茶色の世界。
ゆったりとした上り坂。でも、、追い風にたすけられて、すいすいです。

60キロほどして、魚几淘という街につきました。

そこでお昼ご飯をたべてると、、、なにやらいっぱいはなしかけられます。
「なに?ちゃりであぐしゃーまでいくの!??」
「今日からじゃもう暗くなっちゃうよ。」
「山、狼がでるよ。。」
「山、、今、雪ふってるよ」

、、、、狼!??雪!??
本当???
ってきいても、本当っていってくれちゃいます。

うーーーんん。。。

4,5人でくちをそろえて、、明日にしたらーーーとアドバイス。。。

せっかくここまでいってくれるんだし、今日はここで一泊しようかなーー。。。
ということで、今日は魚几淘のネカフェから書き込んでいます。

今日の情報まとめ。。。
トクスンから南下する道は、、落石で通行止め中(復帰いつか、不明。明日には復帰って警官いってた。)
魚几淘より西の山地帯では、狼が出るそう。野営はよしとくのが無難。
魚几淘より西の山地帯では、雪が降っている&積もっているそう。寒さ対策必要。

らしい。
うーん。ほんとか?っていう気もするけども、、でも用心にこしたことなさそーー。
さて、、明日、、どうなるかなーーー。。。

最高にきれいなもの

2008/5/1

昨夜は駱駝園というなんとも風情ある名前の街近くの商店にたのみこんで泊めてもらいました。
納屋みたいなところでしたが、、寝袋あるので、全く問題なし。
とにもかくにも風をしのげるのはうれしいことです。
oheya

さて、そこでたべさせてもらった朝ごはん。
これがおいしかったーーー!!!

mesi

カレー味のスープなんですが、中に具がたんまりはいています。
キクラゲやら玉葱やらニンニクやらじゃが芋やらお肉やら。。。
しっかりした味がついてるんだけど、中華にありがちなしつこさがまったくない!

おいしいものたべてる時って、、幸せです。。。。。

おばちゃん、ありがとう。。
obatyan

さて、、、しっかり栄養補給した後、今日はハミ目指して走り出します。

ハミが近づくにつれ、、いままでの殺風景がうそのように、周りがにぎやかになっていきます。
まず、小さな林が現れ、、、
次に民家がポツポツと現れ、、
そしてブドウ畑がひらける。。。

青い澄んだ空を背景にしたそれらは、、本当にはっとするくらいにきれいな風景です。
きれいな風景っていう表現が、、手垢がつきすぎててもどかしい。

すーーーって体のどっかへ浸みこんでいって、、ぶるっとくるような感覚。
美しいってこういうこというんだろーなーーー。。。。

僕はまだ芸術品ていわれるものでこんな風に感じたことはないけれど、、
こういう感動を人にあたえられるようなものをつくれたら、、、それってなんてステキなんだろーーーーって思います。
でもまた同時に、、、どんなに有名な美術館にある名画でも、こんなにキレイって思わせるのって無理なんじゃないかなーとも思います。
(どうなんだろ。。。やっぱすごいやつはスゴイのか!?)

kaiga

構図とかからすると全く平凡。
とった写真をあとから見ても、なんでそんなにきれーって思ったかわからない。
でも確かにあのとき、、震えるくらい、、きれいーーーっておもったんですよね。。

旅の不思議。
旅のおもしろさ。
こういうのも、、楽しいです。

補記1
こういう空と一緒に働ける仕事がしたいなーーー。
いや、こういう空は休暇で見に来るべきなのか!?
悩ましい問題ですねーーー。

補記2
シチュエーションが美しくみせるってこともあるのかもしれないですね。
楽しむための、、苦労。というようなもの。。

ぬめっと工具

2008/4/30

僕の前輪ギアはぬめっとかわります。

僕の自転車くんには前輪に二段、後輪に6段のギアがついています。
変速のとき、後輪ギアは「ジャキっ」と「シュチャっ」の真ん中くらいの感じで「ヂャチャっ」と変わります。

でも、、、前輪はもっと、、こう、、、「ぬめっ」とかわるんです。
この、「ぬめっ」が好き。

特にゆっくりとペダルを踏みながら変速すると、、、いい。。。。

ぬめっ。

そのぬめっがみたいがために、うつむいて、ギアがかわるところを眺めながら変速したりします。
特にインナーからアウターへ、速度を速くするほうに変えるときが、、いい。

ギアにそって、チェーンがからみつくように寄り添っていく。。。
鋼鉄でできた車体の、そこだけが生き物になったみたい。

ぬめっ。

ぬめっ。

さて、、そんなぬめぬめ楽しみながら自転車漕いでいたときのこと。

miti

急にのりづらくなりました。
前輪に常にブレーキがかかっている感じ。

すわ、、ブレーキの故障か???

急いで自転車を降りて確認します。

あちこちみてみると、、、ブレーキの故障じゃありませんでした。
前輪がぐらぐら。
どうも前輪をおさえつけてるナットがゆるんでしまったみたいです。

あらららららーーー。。。
それまで快調にこいでいただけに、、残念。。

気を取り直して、修理にかかります。

実はこの数週間前、麗江であった日本人サイクリストMくんに自転車メンテナンスのいろはを教えてもらっていました。
その知識で大助かり!!
前輪の「玉おし」なるところがゆるゆるになってる事を確認。
慎重に調整して、、一気に閉めこみます。

ぐぐぐぐぐっ。。。
gyutto

おおおっ。うまくいったぽい。
いやーーー、、あのとき教えてもらっておいて、、本当によかった。。
ありがとう。Mくん。

ところで、、、このとき、僕は専用の工具をもっていませんでした。
あせってかき集めた、、つかえそうなものたちが、コレ。。

mittu

左から、「100均で買った、自転車工具セット」、「キャンプ用バーナーの管理工具」、「タイで買った、パンク修理キットについてた工具」
この三つ。
まず、、そのままじゃその本体が邪魔になって使い物にならない、100均工具をキャンプ用バーナーの工具で分解します。
そしてその分解後の工具とパンク修理キットの工具で締めこみます。
完璧なコラボレーション。
この中のひとつでもかけたら実現しなかった連携プレーです。

こういう万能系の工具、いくつかしのばせておくと、、便利ですねーーーー。。

いやしかし、、、こんなことになったのも、、あらかじめやったメンテナンスのときに僕がぬかったせい。。
ごめんなさい自転車くん。

補記1
工具の準備不足も反省しきり。
次どっかの街でかいそろえなきゃーーーーーーーー。

補記2
なんか、れとろ。この日とめてもらったおうちで一枚。
yonrin

音楽と一緒に。

2008/4/30

チンカラリン♪
チンカラリン♪

自転車にあわせて、かわいらしいリズムがながれます。

なんのことはない、、前輪になにかがはさまって、それが前輪の泥除けにあたって音をだしているだけなんですが、
それがまたなんともかわいらしい音なんです。

カラカラカラカラカラカラカララ。

速い速度になるときれいにきこえなくなっちゃいます。

なので、わざとスピードをおとしてせっかくの音楽を楽しみます。

チンカラリン♪
チンカラリン♪

一緒になって「ちんからりん」ってつぶやきながら自転車をこいでいると、疲れもふっとぶこの不思議。
あたりには歩行者もサイクリストももちろんいません。
いい気になって即席のチンカラリン節を歌いながら、砂だらけの荒野を、走ります。

miti

補記1
休憩して、また走り出したときにはもう、チンカラリンは聞こえなくなっていました。。。
ちょっと、、、残念。。。

補記2
中国人サイクリストに遭遇。
乗ってる自転車はやっぱりジャイアント。
自転車後方の荷物入れが圧巻!手作り?ではないとおもうけども、、金属製で、南京錠つき。
確かに雨にぬれても大丈夫だし、防犯対策もばっちり。
中国すごい。。。

tyuugokucyclist

徒歩の鉄人

2008/4/28
(ちょっと記事、前後しています><)

柳園から星星峡を目指して走り出します。

約90キロの道のり。

強烈な風がびゅんびゅんびゅん。
砂をもうもうと舞い上げながら自転車を横殴りにします。

周囲は岩石と砂がメインの茶色の世界。
生えている植物も背丈が小さくて、強烈な風から必死に身をかがめているみたいです。
kusa

横風が強くて安定しない。。。
まっすぐ進めなくてふらふらする。口に砂が入る。。。

、、、なんとなくげんなり感漂います。

あーー、、もう、、すっきり晴れてくんないかなーーー。。。
風きっついなーーーー。。つか、横から吹くって性格わるいんじゃないの??、、、おなかへったなーー。。。
なんてぶつくさぶつくさ。。。

と、、前方で、強烈な風がびゅっと吹きました。
巻き上げられた砂がいっこの大きな生き物のようになって道路をよこぎっていきます。

その獰猛な生き物が通りすぎた後。

砂埃の中に人影がありました。

旅人風のいでたちの、おそらくは西洋人。
黄色い色した荷台に荷物を山盛りにして引きずっています。
荷台から伸びる国旗はフランスと中国のもの。。
なんともサングラスの似合うおじちゃんです。
tabibito

って、、、、、徒歩!????

この向こう、60キロは村は無いはずです。。
、、どこから歩いてるんだ?このおじいちゃん。。

ぎゅぎゅっとブレーキに手をかけて、急いでUターンします。

「いくすきゅーずみー」

話を聞いてみると、フランスから北京を目指してあるいているそう。
北京オリンピックにいくために、11000キロを踏破しようとしているそうです。
徒歩で1万キロオーバー。。。。ありえません。

「クレイジーーー!」
思わず言っちゃいました。
「センキュー!」
彼は会心の笑顔と握手で返してくれました。

でもこのおじいちゃん、英語をあんまり話さないようで、、なかなか意思の疎通がうまくいきません。。
もうちょっと詳しい話を聞きたかったのに。。。

しかし1万キロ以上をあるこうとしていること、、そしてその大半をすでにこなしたってことはよくわかりました。
すっごーーーい!!!!

人間って大概のことはできちゃうもんだなーーー、、と妙に関心しちゃいます。

いろんなことしようとしている人がいます。

思いついてから行動するまでの間に横たわってる実は結構高い壁。
なにか思いついたとき、それを実際に検討して、計画して、そして実行しちゃう人がいる。
おんなじこと思いついても、荒唐無稽って思って一蹴しちゃうこともある。

、、、、大概のことって実はやってみたらできるんじゃないかしらん。

ひとしきりお話をした後、
もういちど「クレイジー」
とにっこり言い合って、握手して、ハグして、それから逆方向へ進みだしました。
僕はペダルを踏んで、彼は足を大きく踏み出して。

つぎに後ろを振り返ったときには彼の姿はもう見えなくなっていました。
miti

グッドラック。

補記
、、、その後、なぜかさっきまでのどんよりした気分はどこえやら。
横風はあいかわらずですが、ウイグルっぽくていいじゃなーーい♪

補記2
やっぱりオリンピックってすごい。
すごいすごいすごいすごーーい!!
妙にハイテンションになっちゃった一日でした。