ウイグル人と漢民族と。風の国の厚い壁。
- 2008年 5月11日
2008/5/4
千仏洞にて。
いかにもウイグルといった土を塗り固めたような住宅が並んでいます。
乾いた空気のなか、地面と一体化したかのような家々。
そんな家並みを撮ろうとカメラを構えます。
、、、、よっしゃ、、、、コレコレ。。。
そう思ってシャッターを切ろうとしたとき。
目の前で老人がなにやら怒鳴っています。
そのときは気付きませんでしたが、目の前の台の上に筵を引いてその上で昼寝をしていたようです。
老人は何語とかを早口でまくしたてながら、傍らにあった板をひっくりかえします。
そこには中国語で、「老人を写真にとったらもれなく5元、くださいね☆」なんて書いてあります。
どうもこの老人、5元出せ、と言っているようです。
いやいやいや。。
さすがにそれはないでしょう。
まず、僕は老人を撮っていません。
それに、その5元払えって書いてある板は写真を撮ろうとしたとき、裏返っていて読めませんでした。後からひっくりかえして、ホラここにかいてあるだろ!っていうのはあまりに無法でしょう。。
しかしその老人。僕のカメラの紐をしっかりとにぎりしめていて、離してくれません。
お金を払うまで逃さないぞ!の構え。
僕も道理が無いお金を払うつもりは毛頭ありません。
にらみ合い。。
宿が一緒になって、今日一緒に行動していたウズベキスタンに住んでいるスイス人カーシャ(彼女はウイグル語が話せます。)が間にはいってくれました。
彼女も大分腹をたてて、散々文句を言ってくれます。
あとで英語で説明してくれたところによると、、、
「彼(僕のこと)はあんたの写真なんて撮ってない。それなのにお金をとろうなんて、、ドロボウと一緒じゃない!私もイスラム教徒だけど、イスラムじゃドロボウは手首を切り落とされる掟なのよ。あんたの手首、落としてやろうかしら!!」
くらいの過激なことを言ってくれたようです。
でも老人はますます頑固にがなりたてるばかり。
このまま平行線か。。。
と思いはじめたころ。。
そのスイス人が何ごとかを老人に話します。すると、、老人の態度急変。
急にカメラをはなしてくれ、、申し訳なさそうな顔をし始めます。
ん????
なんでいきなり??
とりあえずそこを開放されたあと、カーシャに聞きます。
さっきのはどういうわけ??
彼女が教えてくれたところには、、、
さっき、カーシャはあの老人に
「彼は日本人よ」
と言ったんだそうです。
それで問題は解決したそうです。
でも、、別に日本人に特別友好的感情を持っていたわけじゃ、ない。。
老人は僕を漢民族だと思っていたそうです。
そして彼は漢民族がだいっきらい。
日本人だから解決したんじゃなくて、漢民族じゃなかったから、解決した。。。。。
なかば漢民族への嫌がらせのようにお金を請求していたようです。
ウイグル人は漢民族を嫌っている人が多いそうです。
カーシャは、、
「ウイグル人はみんな漢民族が大嫌いよ」
って言っていました。
みんなってのは語弊があるかもしれないけれども、、漢民族を嫌う傾向は確かにありそう。
ウイグルの人は、、漢字が読めない人が結構いっぱいいます。
僕が筆談しようとしても、、漢字は読めないっていわれちゃう。。。
言葉も生活習慣も違う人に統治されるのは、、複雑な感情を生むのかもしれません。。。。
どこまでも澄んだきれいな空。
でもその下に住む人々はやっぱり難しい問題を抱えているようです。
追記
この5元騒動のあと、千仏洞を観光して、、帰り道に同じところを通ったら、、
先のおじいちゃんが
「干葡萄かってかんねーーー??」
ってすっごいにこやかに声かけてくれました。
、、、買うか!!!
追記2
この日、火焔山なるところにも立ち寄りました。
あの西遊記の火焔山の舞台となったといわれる山。
ごつごつした岩肌にはぎっしりとひだが寄っていて、なんとも異様な光景です。山っていうよりも岩っていう感じ。
この岩がフライパンのように熱せられて夏場は80度近くになるとか。
うーーーーん。すげ。